「俺たちは天使だ!」〜1979 沖雅也主演のコミカル探偵ドラマ~日テレ ドラマ シリーズ②

※当サイトで掲載している画像や動画の著作権・肖像権等は各権利所有者に帰属します。

ID:1393

日テレ火曜9時ドラマシリーズ、「大追跡」に続いては、「俺たちは天使だ!」をご紹介します。

 


「俺たちは天使だ!」
1979(昭和54)年4月15日〜11月4日
日本テレビ系 毎週日曜20:00 – 20:54
全20話


 

●企画の経緯

 

wikiによればこの番組は当初、新撰組を舞台にした時代劇として企画されましたが、撮影開始1週間前に「裏番組に大河ドラマがあるから時代劇は駄目。現代劇に」という上層部からの要請があり、既にスケジュールを押さえていたキャストで、急遽現代劇に企画を立て直した、とあります。時代劇だったら果たしてどんな作品になっていたのでしょう。

 

現代劇に設定変更された事で、「貧乏な探偵事務所を舞台にしたコミカルなアクションもの」というストーリーになりました。

 

出演者は沖雅也さん(スコッチ)、小野寺昭さん(デンカ)、勝野洋さん(テキサス)、下川辰平さん(チョーさん)、長谷直美さん、多岐川裕美さんなどの「太陽にほえろ」メンバーに加えて、渡辺篤史さん、柴田恭平さん、神田正輝さんらが加わり、江守徹さんが渋く脇を固めていました。


 

●沖雅也さんのための番組

沖雅也さんは1976から「太陽にほえろ」でクールで孤高、一匹狼のスコッチ刑事を演じていました。常にスリーピースのスーツ姿、ニコリともしない冷徹なキャラで、こちらの「麻生雅人キャップ」での明るく爽やかでズッコケる2枚目半の役は新鮮でしたが、素のキャラはこっちだったようです。ご本人もこの役がお気に入りで、遺書にも「自分の遺影には『俺たちは天使だ』の写真を使って欲しい」と書かれていたとか…。本作で華麗に着こなしていたイブ サンローランのコスチュームは、普段も着用していたそうです。

日テレの石井プロデューサーは、「いい役者なのになかなか主役に恵まれない沖雅也さんへの感謝の意味を込めて企画した」と語っています。

 


 

●あらすじ

 

ストーリーラインは毎回「貧乏な麻生探偵事務所に依頼が来て、一攫千金を夢見て活躍するものの、結局金儲けには失敗する」というお話。個性豊かな各キャラのチームワーク、洒落たセリフの応酬と荒唐無稽なアクションで、センスのよい楽しいドラマでした。

 

 


 

●音楽はSHOGUN

 

主題歌はSHOGUN「男達のメロディー」 (作詞:喜多條忠 作曲:ケーシー・ランキン 編曲:大谷和夫)
「運が悪けりゃ死ぬだけさ」で有名な名曲です。私もバンドでカバーしました。若い世代にはTOKIOの「鉄腕DASH」ソーラーカーのテーマと認知されてますが、このドラマがオリジナルです。このドラマの各話のタイトルは「運が悪けりゃ〜」が付いてました。

ちなみにSHOGUNのファーストアルバムは、本作のサウンドトラックという側面があり、主題歌以外にも劇中音楽の原曲となった歌が収録されています。


 

●キャスト紹介

 

CAP

沖雅也さん演じるキャプテンは、見た目は2枚目、中身はドジでお茶目なキャラです。愛車はカマロで、毎回マンションの車庫入れでクルマをぶつけ、降りるときにキーを忘れ、取りに戻るとアタマをぶつけるのがお約束。趣味はボクシング、敵を倒す際の武器はブーメラン(!)で、小型から背中に背負う大型まで使い分けします。

NAVI

いまや「建物探訪」でおなじみ、渡辺篤史さん演じるナビは、モナコ・グランプリでナビゲーターになるのが夢の肉体派。自動車整備工場で働きトラックドライバーもやっています。ダーツといつもケンカしていて「ニマニマ(肉体労働者の2枚目)と呼ばれています。ゆうちゃんが大好きで頼まれると断れません。

 

DARTS

柴田恭平さん演じるダーツはその名の通り特技がダーツ。ディスコでダンサーとして働き、派手なファッションに身を固めてカッコつけてはいるが、実は木造の古アパートに住まい。ナビから「イナニマ(田舎の二枚目)」と呼ばれています。

 

JUN

神田正輝さん演じるジュンは爽やかな歳下キャラで普段は放送局で謎の雑用をしています。電卓片手に探偵報酬の交渉をする経理係で肉体労働は苦手。料理が得意、と言いつつ定番はトーストに鯵の開きを挟んでコンロの直火で焼いたアジサンド。

 

YUKO

多岐川裕美さん演じるマドンナはキャップに想いを寄せる事務所の電話番兼秘書。依頼人の雰囲気で玉露か出がらしのアメリカンコーヒーかを決めるしっかり者、という設定でした。デンカこと小野寺昭さん演じる藤波弁護士の妹です。

 


 

前作の「大追跡」から藤竜也さんがいないのは残念ですが、引き続いて出演者の皆さんのチームワークと、どこまでがシナリオなのかわからないアドリブ合戦で毎回毎回、面白すぎるドラマでした。

 

当然、続編も構想されたと思いますが、沖雅也さんが1983年、京王プラザホテルからの飛び降り自殺という衝撃の最期を迎えたために不可能に…。

 

後年、正統な続編ドラマも制作されたようですが、この当時の時代感と、この時代の俳優さんの魅力なしでは成り立たない作品なので…観ないでおこうと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました