アドリアン アドニス&カウボーイ ボブ オートン「マンハッタン コンビ」〜 1983 ツープラトンの元祖タッグ チーム

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プロレスにおける名タッグチームは数多いですが、

今回ご紹介する「マンハッタン コンビ」は日本での活動期間はわずか1シリーズだけ。

 

にも関わらず“衝撃的なツープラトン攻撃”を生み出し、その大きなインパクトでいまもって昭和プロレスファンの記憶に残る、名タッグ チームです。

 


 

●アドリアン アドニス&カウボーイ ボブ オートン

 

“ニューヨークの暴走狼” アドリアン アドニスは「悪ガキ」レスラーの筆頭格。ふてぶてしい態度とルックスで、肥満系の体型にも関わらず人気者でした。

“カウボーイ”ボブ オートン(Jr.)はその名の通り二世レスラーで、次期NWA王者とも評された実力者。初来日は全日本プロレスで、ジャンボ鶴田との対戦経験もあります。

 

この両者が当時、ニューヨークWWF(現WWE)マットで活躍していたことから、揃って新日本プロレスに来日したのが、1983(昭和53)年3月のビッグファイト シリーズでした。

 


 

相模原市総合体育館大会のメインイベントでアントニオ猪木&木村健吾組と対戦した試合で、このコンビは2人がかりの「ハイジャック パイルドライバー」「スカイハイ ラリアート&バックドロップ」の“ツープラトン”連携技を日本初公開

 

この試合がテレビ中継されるや、全国のプロレス ファンはド肝を抜かれました。

当時の新日は、新日正規軍と維新軍とはぐれ国際軍、維新軍の日本人軍団抗争真っ只中。外国人コンビとのタッグマッチはいわば消化試合的な扱いで、注目もされておらず、アドニスにしてもオートンにしても決してエース級レスラーでもありません。

さらにこの1983年といえば5月に第1回 IWGPというビッグイベントを控えた時期。

そんな時にこんな「掘り出し物」が生まれるのが、プロレスの面白いところです。

 


 

アドニス&オートンはクイックなタッチワークで序盤から日本組を翻弄。

 

そしてオートンは木村健吾をパイルドライバーの体制で抱え上げると、コーナーへ。待ち構えたアドニスが、セカンドロープからズドン!これが「ハイジャックパイルドライバー」誕生の瞬間です。

さらには木村健吾をバックドロップの体制に捉えたオートンに、トップロープからアドニスがラリアート、そのまま後ろにズドン!
こちらは「スカイハイ ラリアート」と命名されました。

木村健吾は初めて喰らう強烈無比の立体的ツープラトン攻撃に虫の息となり、エプロンの猪木も顔色が変わりました。

 

これらの合体技はその後、長州&浜口ら維新軍にさっそくパクられ、彼らの代名詞的な連携技になりますが、元祖は彼らなのです。

 

「マンハッタン コンビ」は旋風を巻き起こし、当時、全日本プロレスで脅威的な強さを誇っていたスタン ハンセン&ブルーザーブロディの「ミラクル パワー コンビ」の対抗馬になり得るのでは?と期待の声が上がる程の注目度でした。

しかし、残念ながらこのコンビの活躍は、このシリーズの約3週間のみに終わってしまいます。

 

不幸なことにボブ オートンが同シリーズに来日していたクリス アダムスが起こした九州遠征中の一般人とのトラブルに巻き込まれ、2年近く来日が途絶えてしまったためでした。

 

その間、アドニスはその後、ディック マードックとのコンビで活躍しました。

 


 

 

オートンはその後、1984年11月、東京都体育館で藤波辰巳の持つWWFインターナショナル ヘビー級タイトルに挑戦。馬に乗っての入場が印象的です。

さらには、あの「海賊男」の正体も演じました。

2000年代には息子であるランディ オートンがWWEスーパースターになり、マネージャーとして元気な姿を見せてくれました。

 


 

一方のアドニスはその後、WWFのリングでオカマ レスラーのギミックを演じ、ストレス性過食症で体重もさらに増加して無残な姿に…

 

1987年にWWF離脱後、新日本マット界に復帰。元の硬派スタイルに戻し再起を図っていた矢先、同年7月4日、遠征先のカナダでの移動中 自動車事故に遭い、享年34歳の若さで亡くなりました。

 


 

たった1試合でタッグマッチを変えてしまった名コンビ。もう少し日本マットでの活躍が観たかった、幻のタッグ チームです。

 

 

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