昭和アニメ「ロボッ子ビートン」〜1976 サンライズ&安彦さんの隠れた名作


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今回は、私が小学生低学年の頃、毎週楽しく観ていたアニメ「ロボッ子ビートン」をご紹介します!

面白くてかわいくて、大好きな番組でした。放映当時は小学館「てれびくん」などでも大人気でした。

でも本放送以来、再放送で観た記憶もなく、原作者などのディテールが長年、謎でした。

 

登場人物もキャラも藤子不二雄作品や、ちょうどこの頃、大人気だった石ノ森章太郎作品「がんばれ‼︎!ロボコン」にソックリ。

しかし、お2人の作品ではありません。

 

そして調べてみると「そうだったのか!」と驚きの制作陣でした。

 


 

「ロボッ子ビートン」

1976(昭和56)年10月12日 ~1977(昭和57)年9月27日
毎週火曜日 19:30-20:00
TBS系
全50話
制作  東北新社、東急エージェンシー

 


 

制作は日本サンライズ!キャラデザは安彦良和さん!

 

この「ロボッ子ビートン」の企画コンセプトは、そのまんま「オバケのQ太郎とドラえもんを足して2で割ったような番組」だったそうで…藤子先生お得意の「異物居候モノ」というモチーフだけでなく、登場人物たちまで藤子テイストをモロパクリなのは、この時代ならではのおおらかさと言いますか、ご愛嬌ですね。

 

アニメ制作は「日本サンライズ」

時代としては「ハゼドン」「ゼロテスター」「勇者ライディーン」などを経て、この「ロボッ子ビートン」終了直後の1977(昭和52)年「無敵超人ザンボット3」で初の自社企画制作作品を世に送り出し、1979(昭和54)年に「機動戦士ガンダム」でリアルロボットブームを巻き起こす、ちょうど狭間のタイミングということになります。

プロデューサーは後の「機動戦士ガンダム」渋江靖夫さんで、監督は大隅正秋さん。世の中的には「ルパン三世」のハードボイルドな演出で知られていますが、1965(昭和40)年の初代「オバケのQ太郎」、1968(昭和43)年の初代「怪物くん」の演出を手がけたお方です。

 

そして、企画書補遺、キャラ表、作画監督、ゲスト・キャラクターデザインがあの、安彦良和さんなのです(飛行船企画がメイン)。

 

 

原作者は、竹村よしひこさん。寺田ヒロオ先生、藤子・F・不二雄先生らのアシスタントを経て、本作がデビュー作とのこと。後にコロコロコミック版「ビックリマン」を手掛けた方ですが、「てれびくん」でヤッターマンとかも連載してたところを見ると、原作というよりコミカライズなのでは?という気もしますが…。

 


 

ビートンはMADE IN USA

 

「ロボッ子ビートン」は、主人公の男の子、マーちゃんの元に「アメリカのおじさん」から贈られた市販品の組み立て式ロボット。でも、説明書が英語で自分にはムリ、と近所の発明好きのお兄さん「ノーベルさん」に頼んだら、ノーベルさんはほかの機械の部品とビートンの部品を混ぜてしまい、テキトーに組み立ててしまいます。すると…ビートンは自らの意思を持つ、“不思議な友だちロボットになる”という設定です。

この「アメリカ製の市販品」というところがポイント。“メイド イン ジャパン“が世界を席巻するのはもう少し後の時代で、この当時はまだ“アメリカ製“の威光が通用した最後の時代かもしれません。思えば、ヨーヨーやスーパーボール、ゲイラカイトなど、70年代は「アメリカからやってきた」オモチャが大人気でした。

 


 

意外に高性能?ロボッ子ビートン

 

市販品のビートンはリモコンで歩くだけのロボットですが、ノーベルさんに魔改造された結果、マーちゃんからリモコンを取り上げてお腹のポケットにしまいこみ、勝手に動きまわる自律式ロボット化します。

 

主題歌では「できそこないのロボット」とか言われてますが、いやいや高性能過ぎです。目はサーチライトで計算機、足はキャタピラで高速走行、そしてロケット噴射で空も飛べます。

 

しかし、水がニガテで、濡れるとサビて動けなくなります。この辺りはオバQのイヌ、ドラえもんもネズミ、ロボコンのゴキブリと同じお約束ですね。

 

黄色い二頭身で声も可愛く(声優は桂玲子さん、後期は白石冬美さん)、当時の幼稚園児や小学生に「ビートンみたいな友だちが欲しい」と大人気でした。いま見てもカワイイですね。ブルマァク製のダイカストやプラモデル、文房具でも人気がありました。

 


 

そのほかの登場人物

 

ビートンと仲良しの主人公マーちゃん(声は杉山佳寿子さん)。サンバイザーにオーバーオールを着ています(平成生まれの息子は『なんでスーパーマリオの服着てるの?』と。確かにそのまんまですね)優しいパパママと、手厳しい妹のトン子がいる辺りも藤子作品っぽいです。

 

ヒロインはうららちゃん(声は小山まみさん)。ポニーテールに大きなリボンという典型的な美少女キャラ。両親は仕事の都合で海外在住、なんと天敵のガキオヤジの家で暮らしています。ガキオヤジを「おじさま」と呼んでますが、どういう親戚なのかは不明。

 

そしてなんといっても独特なのが中年のガキ大将、その名も「ガキおやじ」。赤いヘルメットにチョビヒゲのルックスはナチスドイツと東條英機を連想させ(以下自粛)…声は永井一郎さんです。なぜだか当時、プラモデルや合金モデルが発売されていたのですが…お世辞にもちびっこに人気があったワケではまったくありません。おそらくオトナが面白がってグッズ化したのでしょうが、売れたのでしょうか・・・

 

 

ガキおやじはビートンを目の敵にして「ブリキン」というライバルロボを作り対抗します。この「ブリキン」はドイツ製という説明がありました。ガキおやじとブリキン、子分3人衆はなにかにつけてビートンとマーちゃんの邪魔をしてきて、繰り広げられるドタバタがストーリーのほぼすべてです。

 

そしてもう一つ、本作品の目玉キャラがネンネン(声は平井道子さん)。第24話「ネンネンは裸でごめんネ」から登場した美少女ロボット。見たまんま、マリリン モンローをモチーフとしたお色気キャラで、なにかにつけて服を脱いで入浴したがるという、ドラえもんのしずちゃんを露出狂にしたような設定。そのつどビートンやマーちゃんらはドギマギさせられます。

なお、「このキャラの推敲にあたり作画の安彦さんおよびスタッフ数人が視察と称して近所のストリップ劇場に行ったことが女性スタッフに知られ、冷たくされた」という微笑ましいエピソードをご本人が語っておられます。

 


 

主題歌

 

op「わたしのビートン」
作詞:大隅正秋 / 作編曲:川口真 /
唄:大和田りつ子

作詞はop,ed共に大隅監督が自ら担当。気合い入ってます。歌詞にビートンに作ってあげるわ、として「ドーナツ、イチゴミルク」と並んで「たこ焼き」が出てきます。当時、少なくとも福岡ではまだたこ焼きを家庭で手作りする文化はなく、不思議な感じがしてましたが…大隅さんは兵庫出身ということで、納得ですね。

 

ed「なぜ?なぜ?ビートン」
作詞:大隅正秋 / 作編曲:川口真 /
唄:大和田りつ子・劇団こまどり

edはチャールストンですよねコレ。キャラ達によるダンスがカワイイです。

 

そしてなんと、本作品の本編音楽を手がけていたのが久石譲(本名:藤沢守名義)さん!
当時、LPでもその後のCDでも、BGM集が発売されていないのが惜しいですね。

 


 

 

私は今回、40ウン年ぶりに本作品を視聴しました。記憶に違わずカワイイ、テンポもよくてドタバタが面白い。教訓めいた説教臭さはゼロで、微笑ましいエピソードと、ざっくりした設定。

 

「子ども向けテレビまんが」の見本のような良作で、サンライズと安彦さんのもう一つの側面を知る、隠れた名作アニメではないでしょうか。残念ながらDVDなどソフト化はされていませんが、CSで再放送されたこともあるようです。

それにしてもマーちゃんのショタぶりとうららちゃん、ネンネンの萌えキャラぶりは…ビートンも含め、いまならさしずめ、薄い本が出まくることでしょうね(笑)


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