「世界最強タッグ決定リーグ戦」~1981-1984 全日本プロレス冬の風物詩

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「世界最強タッグ決定リーグ戦」

年の瀬が近づくと「オリンピア」の旋律と共に、豪華絢爛な入場式の記憶がよみがえります。

 

1977年12月の「世界オープンタッグ選手権」が大成功に終わり、翌1978年より「世界最強タッグ決定リーグ戦」の名称で毎年、年末の掉尾を飾る全日本プロレスの看板、恒例興行となりました。同一名称で行われるイベント シリーズとしては日本最長(現在も更新中)の大会です。

 

昭和の時代は参加ガイジン勢がとにかく豪華で、顔ぶれが一堂に会する入場式はとにかく大興奮のセレモニーでした。

 

今回は、もっとも華やかで”世界最強タッグらしかった”そして、ハンセン&ブロディの「ミラクルパワーコンビ」が活躍した時期、1981~1984年大会をご紹介します。

 


 

■1978年 優勝 ジャイアント馬場&ジャンボ鶴田 
■1979年 優勝 ドリー ファンクJr.&テリー ファンク
■1980年 優勝 ジャイアント馬場&ジャンボ鶴田

 

▼1977 ブッチャー&シークvsザ ファンクス(世界オープンタッグ選手権)/1978 馬場&鶴田vsザ ファンクス

▼1979 ブッチャー&シークvsザ ファンクス/1981 ザ ファンクスvsブロディ&スヌーカ

 


 

■1981年

  • ブルーザー ブロディ&ジミースヌーカ 12点 優勝
  • ジャイアント馬場&ジャンボ鶴田 11点
  • ドリー ファンクJr.&テリー ファンク 11点
  • タイガー ジェット シン&上田馬之助 10点
  • ハーリー レイス&ラリー ヘニング 8点
  • ザ シーク&マーク ルーイン 4点
  • バロン フォン ラシク&キラー カール クラップ 2点
  • 天龍源一郎&阿修羅 原 2点
  • 大熊元司&グレート小鹿 2点

 

この1981年はブッチャーの新日移籍を発端とした”引き抜き合戦”の年。新日本プロレスからシン&上田コンビが参戦。天龍革命前の「龍原砲」もこの年が初参加です。

 

馬場&鶴田の「師弟コンビ」、ドリー&テリーの「ザ ファンクス」を抑えて優勝したのはブロディ&スヌーカ

 

そして蔵前国技館での最終戦、ブロディ組セコンドにスタン ハンセンが登場し、試合にも介入。試合後は馬場、鶴田らと大乱闘となり翌年からの「ハンセン全日参戦」が確定事項となるなど、衝撃の閉幕となりました。

 


 

■1982年

  • ドリー ファンクJr.&テリー ファンク 9点 優勝
  • ジャイアント馬場&ジャンボ鶴田 8点
  • スタン・ハンセン&ブルーザー・ブロディ 8点
  • ハーリー レイス&ディック スレーター 7点
  • 天龍源一郎&阿修羅 原 5点
  • リッキー スティムボート&ジェイ ヤングブラッド 3点
  • 上田馬之助&スーパー デストロイヤー 0点

 

1982年はハンセン&ブロディが「ミラクルパワー(超獣)コンビ」を結成

ブロディと仲間割れしたジミー スヌーカはレイスとのコンビが予定されましたが、WWFへ転身したため代役にディック スレーター。

パンフにはスヌーカの写真が掲載されています。

 

猛威を奮う「超獣コンビ」は馬場&鶴田にも完勝し、最終戦でファンクスも撃破して初優勝か?と思われましたが、

 

ブロディが羽交い絞めしたテリーへのハンセンのラリアットにジョー樋口が巻き込まれて反則負け。ファンクスが辛勝で優勝となりました。ハンセンのラリアット軌道にわざわざ歩み寄るジョー樋口さんにファンは溜息。

 

この年の開幕戦、後楽園ホールでのハンセン&ブロディvsリッキー&ジェイは名勝負として今なお語り草です。

 

■番外編:夢の対決

 

この「世界最強タッグリーグ」では「夢の対決」シングルマッチが行われるのも恒例でした。

 

私はこの1982(昭和57)年12月7日、福岡国際センターで行われた「夢の対決」シングルマッチ4試合を、生観戦しました。私はフツーのリーグ戦が観たかったのに、行ってみたらそうだっただけなのですが。

 

対戦カードは、テリー ファンクvsブルーザー ブロディ、ドリー ファンクjr.vsスーパー デストロイヤー、ジャンボ鶴田vsスタンハンセン、ハーリー レイスvsリッキー スティムボート

 

もっとも、この当時の全日本プロレスは「なにかといえば両者リングアウト、もしくは反則決着」の時代でして、テリーvsブロディもハンセンvs鶴田もドロー決着で特段、いい試合でもなんでもありません。そういえば、レイスとリッキーの対決は特別レフェリー ルー テーズでした。

 

それよりも前座で、赤パンツ時代の越中詩郎vs三沢光晴のシングルマッチを観たのが、よい思い出です。

 


 

■1983年

 

  • スタン ハンセン&ブルーザー ブロディ 12点 優勝
  • ジャイアント馬場&ドリー ファンクJr. 11点
  • ジャンボ鶴田&天龍源一郎 11点
  • タイガー ジェット シン&上田馬之助 6点
  • ミル マスカラス&ドス カラス 6点
  • バリー ウインダム&ロン フラー 4点
  • 阿修羅 原&マイティ井上 2点
  • ザ モンゴリアン&鶴見五郎 0点

 

1983年、8月31日にテリーファンクが引退。ドリーは馬場とコンビを結成。鶴田と天龍の「鶴龍コンビ」が初参加となりました。
優勝争いは予想通り「超獣コンビ」と「鶴龍コンビ」、馬場&ドリー組の三つ巴となり、最終戦で馬場&ドリーはシン&上田に両軍リングアウトとされて脱落。

 

最終戦、「鶴龍」vs「超獣」の直接対決はハンセンが天龍をラリアットで撃沈、「超獣コンビ」堂々の初優勝となりました。

 

この年のハンセン&ブロディvsマスカラス&ドスカラスの1戦(これまた福岡国際センター)は、一触即発の”不穏試合”として有名です。


 

■1984年

 

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  • ジャンボ鶴田&天龍源一郎 11点 優勝
  • スタン ハンセン&ブルーザー ブロディ 10点
  • ドリー ファンクJr.&テリー ファンク 10点
  • ハーリー レイス&ニック ボックウィンクル 10点
  • ダイナマイト キッド&デイビーボーイ スミス 7点
  • ジャイアント馬場&ラッシャー木村 2点
  • ワンマン ギャング&鶴見五郎 2点
  • タイガー ジェット シン&マイク ショー 0点

 

1984年は史上最高に豪華な参加メンバーとなりました。

 

前年度優勝の「超獣コンビ」、準優勝の「鶴龍コンビ」、テリーの復帰で復活した「ザ ファンクス」に、AWA元世界王者のニックと元NWA世界王者のレイスの「帝王コンビ」。

 

さには新日本プロレスから電撃移籍となったキッド&スミスの「ブリティッシュ ブルドックス」が参加。直前まで「ミステリアス パートナー」とされていた馬場のパートナーは、なんと第一次UWFを離脱したラッシャー木村でした。

 

最終戦は前年同様、「鶴龍」vs「超獣」となり、天龍がハンセンのラリアットを食らい戦線離脱する中、鶴田が孤軍奮闘。ハンセンの反則暴走で、「鶴龍コンビ」が辛くも初優勝となりました。

 

ラッシャー木村は名古屋大会で造反して馬場と仲間割れ、鶴見、剛竜馬、菅原伸義と「国際血盟軍」を結成。

 

さらにはこの名古屋大会のメイン終了後に、長州力率いるジャパンプロレス勢が登場。翌年からの全日参戦を宣言しました。
一方、ブロディの移籍によって「超獣コンビ」最後のタッグ リーグ戦となってしまいました。


 

■その後の「最強タッグ」

 

1984年を最後に、ブロディが新日へ転出したことで「ミラクル パワー(超獣)コンビ」は解散。1985,86年はハンセンはテッド デビアスとのコンビで、「鶴龍コンビ」と優勝を争います。また、この1985,86年は長州、谷津の「ジャパン プロ コンビ」が参戦。

 

日本人選手が大量に増え参加選手の半数が日本人となったことで、結果として”豪華ガイジン勢による「世界最強タッグ」”のカラーが薄れてしまいました。

 


 

■「オリンピア」

 

1984年から大会テーマ曲として試用されているのが「オリンピア」(セルジオ メンデス)。次期シリーズ予告、入場式などで使用されたこの曲は、プロレスファンにとって年の瀬を思い起こさせる、年末の風物詩的な名曲です。

元々は1984年にロサンゼルス オリンピック用に作られたボーカル入りの楽曲で、「世界最強タッグ」ではブラジル、オランダ発売盤にのみ収録されているインストバージョンをさらに短く編集して、使用されています。

 

 

次回は、同時期に開催されていた新日本プロレスの年末のタッグの祭典、「MSGタッグリーグ戦」をご紹介します!

コメント

  1. ズンとねる より:

    裏事情を知らない頃は、超獣コンビの3連覇でいいじゃん! 最強タッグなら、ウォリアーズ参加しろ!などと、真剣に思っていました。 ちなみに、87年、突如、ブッチャー、ブロディー復帰は、長州の新日テレビ復帰との交換条件と知り、今になってガッテンです! 後、84年と86年の最終戦、日テレのマスターテープは途中で切れていて、それを堂々とソフト化してるのは、なんだかなーと思います。 あ、動画では勿論、見れますが。

    • MIYA TERU より:

      そうですね、当時はなんで超獣コンビに優勝させないんだ!とかウォーリアーズ出ないの?とかいろいろ不満がありましたよねぇ。裏事情を知れば納得せざるを得ませんが。

  2. 太陽型ヘルメット より:

    年末になると聴きたくなるねぇ、オリンピア!
    おお!と思って聴いてみたら歌入りやん!(笑)

    オリジナル音源はワイがあげたんやで!
    亡霊ハン!(笑)

    あ、ちなみに84年最強タッグの決勝戦は病院のベットの上でたまたま見てて、そこから天龍ファンになったのでした。

    • MIYA TERU より:

      そう、「オリンピア」は敢えて唄入りの原曲をUPしました。インスト版は最強タッグ名場面集にあるからいいかなと。実は唄入りオリジナル、今回初めて聴きました(笑)。

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