昭和特撮「快傑ライオン丸」「風雲ライオン丸」〜1972-1973 風よ、光よ 特撮時代劇

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「獅子丸」と聞いて「忍者ハットリ君」と思うか、「ライオン丸」と思うか、で年齢がわかります。。。今回は、1972(昭和47)年にフジテレビで放送されたピー・プロダクションの大ヒット特撮時代劇、「快傑ライオン丸」と「風雲ライオン丸」をご紹介します!

 

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「快傑ライオン丸」

1972(昭和47)年4月1日〜1973(昭和48)年4月7日
フジテレビ系
毎週土曜日19:00 – 19:30
全54話
制作 ピー・プロダクション

 

「怪傑」でも「解決」でもなくて「快傑」です。

放送当時、2歳でめったに再放送もない作品でしたが、このビジュアルと主題歌は忘れられません。


 

●企画主旨

 

「スペクトルマン」が好評のうちに終了し、続いてピー・プロダクション代表のうしおそうじ氏は「ライオンマン」という等身大変身ヒーローものの企画を発案。

 

ピー・プロでは「マグマ大使」終了後から、「豹マン」という企画があり、数回に渡りパイロット版が制作されますが放送には至りませんでした。そして、フジテレビとの企画会議の席上、「現代劇では差別化が難しいため、時代劇で」との方針が下され、特撮時代劇「ライオン丸」がスタートという顛末のようです。ピープロのうしおそうじ氏は知る人ぞ知る、「獣人(それも猫系)大好き」なのですね。

 

舞台は戦国時代。日本を恐怖に陥れる大魔王ゴースンと戦う忍者、獅子丸が変身するのがライオン丸。沙織、小助と3人でゴースン配下の暗黒魔人と戦う、というストーリー。

 

シリアスな「スペクトルマン」とは打って変わって痛快時代劇アクションとして制作が進みますが、そこはやはりピー・プロダクション制作。中盤以降はシリアスな展開となり、後半は敵役の「タイガージョー」が登場し、白熱した展開を見せて大人気作となりました。

 


 

●土曜夜の視聴率戦争

 

放送時間は土曜19:00。この「快傑ライオン丸」の後は19:30から「仮面ライダーV3」(毎日放送/TBS)、20:00からは「人造人間キカイダー」(NET 後のテレビ朝日)20:30から「デビルマン」(フジテレビ)という豪華ラインナップ。

さらに真裏には「海のトリトン」、そして超人気番組「8時だよ!全員集合」(TBS)が熾烈な視聴率戦争を繰り広げていました。

→「昭和の土曜夜の子ども番組」についてはコチラ

 


 

●特撮時代劇

 

古くは「仮面の忍者赤影」(1967年4月5日 – 1968年3月27日、東映 / フジテレビ)、

同時期に「変身忍者嵐」(1972 昭和47年 4月7日-1973 昭和48年2月23日、東映/毎日放送)がありました。

特に「変身忍者嵐」は石ノ森章太郎&東映作品という、同コンセプトでまったく同時期放送の強敵ですが、「変身忍者嵐」は「ウルトラマンA」の裏番組、ということで視聴率で苦戦。

 

ビジュアルもライオン丸の方がカッコいいですし、リアルタイム世代の方の評価も「ライオン丸の方が面白かった」と言う声が多数を占めています。

 


主題歌

 

「風よ光よ」
作詞作曲:しのだとみお / 作曲:小林亜星 /編曲:筒井広志
歌:秀夕木、ヤング・フレッシュ

「子門真人氏がこの歌に惚れ込み、歌唱を熱望した」と言われる名曲です(子門真人氏は挿入歌を唄っています)。


 

●大ブームを巻き起こした人気作品

 

主役の潮哲也氏は本作が初の主演作品。吹き替えなしで体当たりのスタントもこなし、崖から落ちて足を骨折したことも。変身時の「風よ!光よ!忍法、獅子変化!」は刀を使うムーブと共に大流行し、チャンバラブームも巻き起こしました。沙織は特撮ミニスカ キャラの元祖的な存在です。

 

「白い天馬にまたがって」の歌詞通り、羽根付きの白馬「ヒカリ丸」が愛馬。この白馬はレンタル料が高いため、ピー・プロで購入したそうです。

時代劇なのにカタカナのライオン、そして丸。この語呂の良さも人気の秘訣でしょう。絵本にかるたに図鑑にレコード、このライオン丸の人気と知名度はバツグンでした。当時大洋ホエールズに在籍していたジョン シピンが、長髪の風貌から「ライオン丸」のニックネームで呼ばれ、今でも時折長髪の人のアダ名になったりします。

 

海外でも「SAMULION」のタイトルで放送され、人気を博したのだとか。なかなか秀逸なタイトルですね。

 


●マスク造形

 

マスクの造形は、初期ウルトラ シリーズで成田亨氏デザインによる怪獣造形を行い「怪獣の父」と呼ばれる、うしおそうじ氏の盟友、高山 良策氏による力作。歌舞伎通のうしお氏らしい尾上菊五郎 (6代目)の「鏡獅子」のイメージをモチーフに、かつらメーカーに依頼して1本1本ヤクの毛を植えた贅沢な逸品。三白眼にこの白いタテガミが、ちびっこのハートを鷲掴みにしたのです。

 


●ライバル タイガージョーの悲劇

 

本作を語る上で避けては通れないのが、ライバル「タイガージョー」。昭和の特撮において、「人造人間キカイダー」「キカイダー01」のライバル「ハカイダー」とならぶ、アンチヒーローの代表格です。

 

シリーズの中盤に登場した「タイガージョー」こと虎錠之介は、ウエスタン風の音楽と共に現れ、悪の手先でありながらニヒルかつクールなキャラと、武士道精神を重んじる心でヒーロー 、ライオン丸を凌ぐ人気を得ます。当初は計4話で出演終了の予定でしたが、その人気ぶりから後半に再登場。ライオン丸とのライバル対決が描かれます。

しかし、その最中、虎錠之介を演じる新人俳優 戸野広浩司さんが、1972(昭和47)年12月11日、ロケ先の宿舎で不慮の事故により他界するという悲劇の大事件が。

急遽代役が立てられ、ドラマは続行しますが、番組中に死去のテロップは流れたものの事情のわからない全国のちびっこたちは大混乱、という当時の話をよく耳にします。

 


●後番組「風雲ライオン丸」

 

大人気のうちに幕を閉じた「快傑ライオン丸」の後番組が、「風雲ライオン丸」です。

「風雲ライオン丸」

1973(昭和48)年4月14日-9月29日
フジテレビ系
毎週土曜日19:00 – 19:30
全25話

 

主人公 獅子丸役は前作と同じ潮哲也氏。しかしまったくの別の設定、ストーリーです。時代劇を貫いた前作と異なり、時代考証無視、西部劇を取り入れた設定は賛否両論を浴び、中でも兜を被ったビジュアルがメス ライオンにしか見えず、ちっともカッコよくないのは失敗でした。

 

快傑ライオン丸やタイガージョーJr.を登場させ、後半は兜も脱ぐなど、テコ入れが行われますが、ストーリー的には「なんとも救いようのない暗い話」を連発

結局、前作ほどの人気は得られず、25話で終了となりました。

 

主題歌
「行け友よ ライオン丸よ」
作詞:中村しのぶ / 作編曲:筒井広志
歌:浜ジョージとブルーエンジェルス


 

2006年には「快傑ライオン丸」の現代版リメイク「ライオン丸G」が制作されましたが…敢えて触れないでおきます。

次回もピー・プロダクションの続番組「鉄人タイガーセブン」をご紹介します!

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