勝手に徹底予想!庵野秀明監督の『シン・ウルトラマン』はどうなる?

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庵野秀明監督による『シン・ウルトラマン』が決定したとか。

今回は、その内容を、勝手に徹底予想してみたいと思います。

 

 


 

●庵野秀明監督と「ウルトラマン」

 

庵野監督は、知る人ぞ知る特撮オタク。学生時代にウルトラマンの自主映画を作り、自ら素顔でウルトラマンを演じてたのは、今更説明する必要もない程、有名なお話です。

 

『シン・ゴジラ』の制作が発表になった時も、「あれ?ウルトラマンじゃなくてゴジラなんだ」と意外に感じました。

 

それだけに庵野監督からすると「ウルトラマンを撮る」というのは、アマチュア時代からの念願が叶った、という想いでしょう。燃えてますよね。燃え尽きないか心配です(笑)

 


 

●『シン・ゴジラ』から『シン・ウルトラマン』を考える

 

庵野監督の『シン・ゴジラ』については以前、私感を書きましたが(→コチラ)昭和の第1作からほぼすべてのゴジラ作品を観てきた私としては「大満足」でした。

 

『シン・ゴジラ』はオリジナル、それも原点である1954(昭和29)年の第1作「ゴジラ」の庵野流、現代版リメイクでした。

 

敢えてそれ以降のゴジラシリーズの流れを一切無視して、一番最初に作られた原点としての「ゴジラ」を、自分だったら(最新技術を駆使して)どう撮るか、舞台が現代なら日本人はゴジラという存在をどう受け止めて対処するのか、がテーマでした。

 

そしてもう一つ、「ゴジラマニアが一番観たいゴジラとは何か?」を徹底的に考えて創られ先人たちへの愛とリスペクトに溢れた作品である点が素晴らしい、と思ったのです。

 

庵野監督はクリエイターとして「ゴジラ」を生み出した“特撮の神様“円谷英二さんや本多猪四郎監督、田中正幸プロデューサー、音楽の伊福部昭さんら先人達への多大なるリスペクトがあり「その人たちに捧げても恥じない作品を創りたい」と考えたのが画面から溢れ出ていました。(事実かどうか知りませんが「オリジナルをそのまま、カメラアングルも含めてリメイクしたい」とまで言ったとも…)

 

長年、「こんな新作捧げられても円谷さん達は喜ばねぇよ」というものだらけ(中には名作もありますが、数える程)でしたから、余計です。

 

そう考えると、今回の『シン・ウルトラマン』も同じ手法を採る、と考えるのが自然です。

要は、「現在の日本に初めてウルトラマンが現れる」というプロットです。

 

しかし、庵野監督がそんな誰もが予想する通りの映画を撮るのか?私は少し疑っています。

 


 

●(初代)ウルトラマンの始まりは

 

いまさらここでウルトラマンがどんな話なのか、説明する必要はないと思いますが、なにせ古い作品なので念のため。

 

一番最初の「ウルトラマン」第1話(1966(昭和41)年7月17日放送)は、凶悪怪獣ベムラーを護送中に逃げられ、それを追って地球に飛来して、運悪くパトロール中の科学特捜隊のハヤタ隊員と衝突事故を起こして死なせてしまう(!)ところから始まります。

 

ウルトラマンはハヤタにその事を詫び、自身の命をハヤタに渡し、一心同体となって地球に現れる怪獣、異星人と戦うようになります。

 

普段は科学特捜隊の隊員であるハヤタ隊員は、ベータカプセルというペンライトのような器具を使い、身長40メートルの銀色に赤いラインの“ウルトラマン“に変身して戦い、その事は誰にも知られていません。

 

『シン・ウルトラマン』はこのプロットを現代的に置き換えて描かれる、と多くの方は予想するでしょう。

 

それはそれで観たいのですが、この「ウルトラマン」第1話のプロットは、山の中の湖のほとりで科学特捜隊メンバー以外、誰にも知られない場所で初登場します。科特隊も活躍しますが、いささか舞台としては地味です。

 


 

●新マンじゃなくていいの?

 

もう一つ重要なポイント。庵野監督は世代的に「帰ってきたウルトラマン」(以下、新マン)の大ファンなのです。

 

自主映画でも科学特捜隊ではなくMAT、それにウルトラセブンのウルトラ警備隊を混ぜたようなメカ、発進シークエンスが描かれていますし、庵野監督のアニメ制作会社「color」のロゴはまんま、新マンのSEだったり、エヴァンゲリオンのミサトさんがMATビハイクルのコスモスポーツに乗ってたり、とあちこちにオマージュが溢れています。

 

なのでもしかしたら、『シン・ウルトラマン』は「帰ってきたウルトラマンのリメイク」、という線も考えられなくはないのです。

 

そうすると、『シン・ゴジラ』とは違ったリメイク手法が可能になります。「かつてウルトラマンがいた現代の日本に、ウルトラマンが帰ってくる」というストーリーは、なかなか盛り上がりそうです。

 

新マンの第1話はタッコングとザザーン、そしてアーストロンと3大海獣が現れる豪華なストーリーで、映画としても申し分ありません。

 

しかしながら、「やっぱり原点、初代だ」という考えもあるでしょうし、でもそうするとほぼ全員の予想通りの展開しかなくなり、非常に悩ましいのではないでしょうか。

 

さらには、Netflixで公開中のアニメーション作品「ULTRAMAN」は、初代以降、「ウルトラマンのいない40年後の日本」を舞台にした作品。すでに存在します。

 

ネタ被りと予想通りを避けつつ、どんな「シン・ウルトラマン」のストーリーを設定するのか、見ものです。

 


 

●怪獣単体との戦いは考えにくい

 

初代なのか新マンなのか、は置いておいたとして、ウルトラマンの魅力は怪獣とのバトルだけでなく、個性豊かな宇宙人達との戦いもあります。

 

「ウルトラマンは地球では3分しか戦えない」という重要な設定もありますから、少なくとも怪獣との対決と、宇宙人との対決が数回ないと、映画の尺としては不足します。

 

散々人間ドラマで引っ張って、最後の最後にようやくウルトラマンがドカーンと登場して、という展開もなくはないですが、さすがにそれはムリでしょう。

 

やはり『シン・ウルトラマン』にはいくつかの怪獣、宇宙人とのバトルが数回行われる、という事を期待してしまいます。

 

そして、庵野監督は円谷英二特技監督に加えて、実相寺昭雄監督の大ファン

一体、どの怪獣や宇宙人をチョイスするのか、も見どころです。

 

個人的にはバルタン星人は堅く、始まりのベムラー、知名度からレッドキング、ゴモラ、メフィラス星人、ピグモン、ゼットンあたりなのでしょうが、実相寺作品だとジャミラやシーボーズ、ガヴァドンなどの魅力的な相手が登場しますし、そしてセブンに登場したメトロン星人との「夕焼けのちゃぶ台シーン」なんかも撮りたいでしょ?と予想します。さすがにセブンは入れないか…(笑)。

 

>「実相寺昭雄監督作品 ウルトラマン&ウルトラセブン」についてはコチラ

 


 

●『シン・ゴジラ』の反省点とは?

 

『シン・ゴジラ』は日本以外では興行収入的に今ひとつでした。

 

その理由は、「政治家と自衛隊の葛藤など、あまりに内容がドメスティックだった」ことに加え、「家族愛が描かれなかった事」と言われています。

 

なんでもハリウッドの基準は「家族愛が描かれない映画は子供向け」なのだそうで。確かにハリウッドのゴジラやマーベルヒーローものは、必ず「愛する人を守りたい」との家族愛が描かれます。

 

当然、円谷プロや配給元の東宝からしたら海外マーケットを意識して欲しいはずで、「今度こそ一つ、“家族愛“テーマを!というプレッシャーは必ずあるハズ。

 

しかし。

 

私からすると、これはほんとに余計なお世話です。そもそものウルトラマンで家族愛を描いた作品はほとんどなく、科学特捜隊、ウルトラ警備隊、MATにしても隊員の家族はまったく登場しません。

 

新マンの郷秀樹には兄貴分(岸田森さん)、恋人(榊原るみさん)、弟分(川口秀樹さん)が登場しますが、その内2人は番組後半のテコ入れでナックル星人に惨殺される始末です。もしかしてこれを取り上げたりして…

 

まぁその可能性は限りなく低いでしょう。だって悲惨過ぎて観たくないですもんね(笑)。

最初のエヴァ劇場版あたりの庵野監督だったら間違いなくやったでしょうが、いまの庵野監督はそこまで病んでない気がしてます。「シン・ゴジラ」も絶望的な状況でもあくまで前を向いて立ち向かう人たちが描かれてましたからね。

 


 

●科学特捜隊(or MAT?)に注目

 

メカ好き、発進シークエンス好きの庵野監督としては、防衛隊としての科特隊(あるいはMAT?)のメンバー、装備、秘密基地、メカニックにもめちゃくちゃこだわるのはもはや疑う余地がありません。

 

空中水中陸上でどんなメカニックが、どんなコスチュームのメンバーによってウルトラマンと共に戦うのか。そしてそこに冬木透さんのワンダバが流れるのか。ワクテカが止まりません(笑)

 

>「冬木透さんのロマンティック&ワンダバ」についてはコチラ

 


 

●「さらばウルトラマン」最終回のテーマ

 

ウルトラマンの最終回(1967年4月9日放送)のテーマは、「これから地球の平和は、我々人類の手で守る! 光の国から来て戦ってくれた英雄に感謝しよう、さようなら!」というものでした。

 

これまで無敵のヒーローだったウルトラマンが初めて戦いに敗れ、死んでしまいます。当時のちびっこ達はあまりの衝撃に悔し涙を流しました(プロレスラーの前田日明さんが打倒ゼットン!でカラテを始めたのは有名です)。

 

その敵、宇宙恐竜ゼットンを倒したのは科学特捜隊。ラストでウルトラマンは光の国からゾフィーが迎えにきて、最初と同じ光の玉に包まれて、故郷に帰って行きます。科学特捜隊のムラマツキャップは、「これから地球はウルトラマンに頼らず、人間の手で守るのだ」と語ります。

 

そもそも、ウルトラマン(セブンあたりまで)は科特隊(やウルトラ警備隊)が単独で怪獣を倒すケースも少なくなく、逆に科特隊がいなければウルトラマンが倒されていたかも、というケースもありました。

 

庵野監督がこのメッセージをどう受け継ぐのか、楽しみです。

 


 

●最後にお願い

 

『シン・ゴジラ』みたいに完結するのではなく、庵野監督には『ウルトラセブン』も撮っていただきたい。

そしてTVシリーズ(NetflixでもAmazonでもいい)ので、初代とセブンのTVシリーズを全話、リメイクしていただきたい(笑)

 

まだ『シン・ウルトラマン』のビジュアルすら観てもいないのに、勝手にそのくらい期待しています。

特撮が大好きでたまらない庵野監督であれば、きっと往年のオールドファンも、新しい世代も「こんなウルトラマンが観たかった」という作品にしてくれるハズ。

 

庵野監督、頑張ってください!

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