「甲子園」応援曲TOP10~サウスポーにトリトン・・・なぜ昭和の曲?の謎

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夏の風物詩「甲子園(全国高等学校野球選手権大会)」。毎年不思議に思うのは「なぜ応援歌は昭和の楽曲だらけなのか?」ということ。今の現役世代は見たこともないであろう歌手の曲やアニメ主題歌、それも1970年代の「令和になってもコレ?」な楽曲が、今年もたくさん奏でられています。

今回はそんな「甲子園で今なお演奏される昭和の楽曲ベスト10」を特集します。

 

 

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①「サウスポー」ピンクレディー(1978)

作詞:阿久悠/作曲:都倉俊一コンビ作のピンクレディーの7thシングル。リリースは1978(昭和48)年3月、180万枚の大ヒットとなりました。この曲は同年ホームラン世界記録を打ち立てた巨人の王貞治選手と対決するピッチャーが主役の歌詞。なのでこの曲がかかると「バッターとピッチャー、どっちを応援してるんだ?」と思ってしまいます。

 

②「狙いうち」山本リンダ(1973)

この楽曲も「サウスポー」と同じ作詞:阿久悠/作曲:都倉俊一コンビ作品。リリースはさらに古く1973(昭和48)年2月。山本リンダは大ヒットしたこの曲で、紅白にも出場しました。当初は阿久悠さんの母校、明治大学が六大学野球の応援時に使用したのだそうです。

 

③「ルパン三世のテーマ」大野雄二(1978)

大野雄二氏作曲、数あるアニメ曲の中でも特にカッコ良く、盛り上がる往年の名曲です。
数々のアレンジがありますが、吹奏楽で演奏されるのは78年バージョンが多いようです。

 

④「宇宙戦艦ヤマト」ささきいさお(1974)

作詞:阿久悠/作曲:宮川泰、言わずもがなの昭和アニメを代表する名作アニメ「宇宙戦艦ヤマト」の主題歌です。SNSでは作品を見たことがない世代からも「曲がかっこよくて鳥肌」といったコメントが寄せられています。

 

⑤「炎のファイター」アントニオ猪木(1977)

”燃える闘魂”アントニオ猪木のテーマ曲、別名「猪木ボンバイエ」。吹奏楽界隈では「闘魂」とも呼称されているようです。原曲は猪木と「格闘技世界一決定戦」を戦ったモハメド・アリの映画音楽「Mandrill & Michael Masserの『Ali Bombaye』/作曲:Michael Masser」。ブラスバンドで演奏すると切なさが増し、私はいつも倍賞美津子さんの「いつも一緒に」を思い出します(笑)。

 

⑥「We Will Rock You」クィーン(1977)

作詞/作曲はブライアン・メイ、リリースは1977年10月です。少し前はK-1ファイター「アンディ・フグの入場テーマ」との認知度だったようですが、映画「ボヘミアン・ラプソディ」でクィーン自体が再び注目され、演奏頻度も増えています。冒頭のリズムが独特で難しそうです。

 

⑦「必殺!(必殺仕事人のテーマ)」(1979)+西部警察のテーマ(1979)

「必殺!」作曲:平尾昌晃/編曲:竜崎孝路
「西部警察」作曲:宇都宮安重

甲子園ではハイトーンの「必殺仕事人」トランペットソロから始まり、「西部警察」のテーマへとつなげるのが定番になっています。奇しくもどちらも70~80年代テレビ朝日のTVドラマの名作ですが、あまりに違和感がなくドラマチック。盛り上がること必至で、番組を知らない世代はこのセットで1曲だと思っているのでは・・・。

 

⑧「サンライズ」スペクトラム(1980)

必殺のウェスタン・ラリアットで一世風靡したスタン・ハンセンの入場曲。もともとはスペクトラムというバンドのアルバム収録曲です。いまだにTVバラエティーの乱闘シーンでも定番で、怒涛の攻撃回にピッタリです。

 

スタンハンセン知らない!という人はコチラを

⑨「海のトリトン」(1972)

1972(昭和47)年に放送されたアニメ「海のトリトン」の主題歌、「GO! GO! トリトン」作詞:林春生/作曲:鈴木宏昌。手塚治虫さん原作、富野由悠季さんの初監督作品とアニメファンにはいろいろと伝説の作品ではありますが、一般の認知度は非常に低い・・・にも関わらず、星の数ほどもある他の楽曲を差し置いて定番化したのは、楽曲のチカラなのでしょうか。

 

⑩「タッチ」岩崎良美(1985)

作詞:康珍化/作曲:芹澤廣明、あだち充原作の野球漫画アニメの主題歌。世代を超えて根強い人気がある曲です。「巨人の星」「侍ジャイアンツ」「ドカベン」「キャプテン」「野球狂の詩」etc・・・野球アニメは数多くあるのに、なぜ「タッチ」…。想像するに「行進曲」「マーチ」系の楽曲が多い中、この曲はポップで古臭くないから定番化した、のでしょうか。

 

番外編 

ここからは「タイトルは知らないが、聞けば誰もが知っている」そのほかの甲子園定番の3つの楽曲です。

 

「アフリカンシンフォニー」ヴァン・マッコイ

近年の甲子園応援歌でトップ人気を誇るこの楽曲。オリジナル作者は「ハッスル」などのディスコサウンドで知られるヴァン・マッコイです。岩井直溥氏による吹奏楽アレンジ版をPL学園、智辯和歌山などが取り入れて広がり、いまや甲子園ではほぼ全校が演奏する人気ナンバーとなっています。

 

「サンバ・デ・ジャネイロ」

別名「アゲアゲホイホイ」、略して「アゲホイ」と呼ばれます。両手にメガホンを持ち、リズムに合わせて踊るのが印象的な定番曲。男子が「エッサエッサ」と叫ぶとチアリーダーを中心とした女子が「エッサエッサ」と返し、男子が「アゲアゲホイホイ」と叫ぶと女子が「アゲアゲホイホイ」と返すやり取りが人気の秘訣。もともとはドイツの女性3人組ユニット「ベッリーニ」が発表したエレクトロニックなダンスナンバー。「アゲアゲホイホイ」のかけらもありません。

 

「コンバット・マーチ」

私の子供のころは甲子園といえばこの曲でした。暑い中で延々繰り返されるこの曲の単調さがトラウマに・・・タイトルに「コンバット」とあるので、60年代のアメリカ戦争ドラマ「コンバット」の主題歌・・・と思いきや、厳然たる日本人が作曲したオリジナルです。1965年秋、東京六大学野球大会に向けて、早稲田大学応援部吹奏楽団の三木佑二郎氏が作曲。それまでの応援曲は軍歌が元だったりで地味なものが多く「盛り上がる曲を」とのことで、「攻撃のファンファーレ」として作られたこの楽曲、出だし部分が「コンバットに似てる」との指摘を受けてこのタイトルになったのだそうです。

*こちらがドラマのOP

 


「なぜ昭和曲?」の理由とは

 

いかがでしょう。70年生まれの私からしても「古っ!」と思う楽曲が多く、「なんでそんな昔の曲ばかり」「今の高校生たちはリアルタイムで知らないのだろうに」などと感じてしまいます。

 

が、これら定番の楽曲が代々、受け継がれていくのはそれはそれでよいこと、なのかもしれません(事実、これらの楽曲が流れてくるとニヤりとしてしまいます)。

 

その謎の理由を探ると「予算が少なくてなかなか新しい楽譜を買えない」といったネガティブな理由だけでなく、「憧れの先輩が打席に立った曲を自分も使いたい」という野球部側のリクエストだったり、吹奏楽部の部員たちからも「うちの応援の伝統だから」と古い楽曲を演奏したいという声が多いのだとか。

 

いまはコロナ禍で球場での生演奏が制限される世知辛い時代ですが、炎天下での応援団の演奏や大合唱も、青春の大切な思い出であり、欠かすことのできない甲子園の名場面ですよね。

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