「クレクレタコラ」~1973 脱力ゆるキャラによる伝説の不条理・アナーキー・バイオレンス番組!

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昭和の昔は夕方18時50分から19時の間に、5~10分の帯番組という枠がありました。今回は、1973~1974年の夕方6時55分からの5分間の帯番組、「クレクレタコラ」です!

 

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「クレクレタコラ」とは?

1973年10月1日~1974年9月28日
毎週月 – 土曜日 18時55分~19時
フジテレビ系列
全260話

シュールかつ理不尽なストーリー、低予算まる出しのスラップスティックコメディであり、ゆるキャラに似合わぬバイオレンス、アナーキーな展開でカルト的な人気を誇る伝説のズンドコ番組。

 

2013年、「マツコ&有吉の怒り新党」で紹介されると「”チャージマン研”と並ぶキ●ガイ番組」 としてネット民に広く認知され、2016年12月に東宝よりDVD「クレクレタコラ コンプリート・コレクション」全5巻発売、YouTubeクレクレタコラ公式チャンネルでよりぬき26話が配信、海洋堂からフィギュア発売、撮影会まで開催されるなど、密かに人気が再燃しています。

●18時55分枠

この時間枠はフジテレビが開局間もない1959(昭和34)年から続く、月曜から土曜ぶっ通しで子供向けに1話わずか5分のアニメを放送していた、伝統的な帯番組枠でした。かつては「冒険シンドバッド」などの海外アニメを放送していましたが、

 

・カバトット(1971年1月1日~1972年9月30日)
・かいけつタマゴン(1972年10月5日~1973年9月29日)
とタツノコプロ2作品が続き、

 

次作がこの東宝制作の「クレクレタコラ」でした。

 


 

●バイオレンス&アナーキー

 

不思議な森に住む二足歩行のタコの怪獣クレクレタコラと、奇妙な住人たちが繰り広げるスラップスティックコメディー番組(どたばたギャグ)。

 

タコラは木の家から望遠鏡を覗いて欲しいものを見つけると、相方のチョンボと共に、あの手この手で強奪を試みます(基本的に殴って気絶させて奪う)が、ほとんどの場合返り討ちに遭い、悲惨なオチを迎えます。

 

教育テレビの人形劇のような見た目ながら、教訓めいたものがあるかと思いきやまるでなく、単なるバイオレンスとアナーキーな展開に終始し、いまならBPO案件、炎上間違いなしなところに、この時代のおおらかさ(というかテキトーさを感じて笑えます。

 

 

●驚愕の低予算

 

70年代初頭、1時間枠ドラマの制作費が1週800万円だった時代に、1週(6話)で120万円、1話20万円という超低予算で制作されました。

 

また、5分枠(実質3分程度)とはいえ1週6話放映の帯番組で、視聴率もそこそこ悪くなく(同枠のフジテレビの平均視聴率は5%程度を13.5%に)、主題歌レコードも売れ(初年度3万8千枚)たりしたため、当初予定の100話が全260話まで延長になり、制作現場は修羅場だったと言われます。

 

成城・東宝撮影所の大ステージに学芸会のようなセットを建て、1日3話を収録。約3ヶ月間で撮影を完了した、のだとか。

 

東宝企画プロデューサー磯野理氏は、キャラデザから企画、果ては主題歌の作詞までを手掛けた生みの親。

 

「1日に最低10話」というノルマの下で脚本家たちとアイデア会議を行って脚本を作り、動きの遅い着ぐるみをチャップリンのトーキー映画などを参考にフィルムの回転を遅らせて撮影して放映時に通常速度にしてテンポを出すアイデアを発明。

 

そこに七五調の活弁風ナレーションを加え、独特過ぎる謎の世界観を演出しました。

 


 

●ゆかいな脱力系主題歌

 

制作段階で代理店やフジテレビ側から「ワンフレーズで内容のわかる主題歌を作れ」と言われ、コストを抑えるために磯野氏が「鶴川五六」のペンネームで自ら作詞。

 

作曲は当時、仮面ライダーやゲッターロボなどで超売れっ子だった菊池俊輔氏に依頼します。菊池氏はその歌詞を見て「ド素人はおっかない」と爆笑したそうです。

 

唄うのは初代オバQ、ド根性ガエルで有名な脱力ソングの帝王、石川進さん。リクエスト通り、唄い出しで番組の内容がすぐにわかる上に、脱力感たっぷりの中毒ソングに仕上がりました。

 

主題歌:「クレクレタコラ」
作詞:鶴川五六 作曲・編曲:菊池俊輔 歌:石川進

 

●登場キャラ

 

声優は太田淑子さん(初代ひみつのアッコちゃん)と阪脩さんの2名のみ。「バーバパパ」や「まんが日本昔話」など、昔はこの手のスタイルが結構ありました。

 

タコラ
主人公にして諸悪の根源。「フテクサレダコという蛸が公害で怪獣化したもの」という設定の(一応)東宝怪獣。

 

チョンボ
タコラの相棒。見ただけで爆笑を誘う落花生フォルム。その名の通りいつも失敗して酷い目に遭う。

 

モンロ
森のアイドル。見た目ピンクのセイウチで特にかわいくなく、ヒロインなのにビッチキャラ。

 

トリオ怪獣
イカリー、シクシク、ヘララという3匹の仲良しトリオ怪獣。思わず二度見必死の醜悪な見た目ながら、実はタコラとチョンボの被害者。

 

デブラ
森の警官。目つきの悪い太ったリス。基本タコラを取り締る役だがデブラを愛人にしたり冤罪で逮捕したり滅茶苦茶。

 

ビラゴン
ネズミウナギ風の怪獣。タコラとチョンボにとっては最大のライバル。

 

トロロ
クラゲのような見た目、ギギギギといった謎の鳴き声で瞬間移動が可能。怒ると頭にあるスプリンクラーから酢を放ち、タコラを酢だこにしようとする。


 

●捧腹絶倒な秀逸エピソード

 

放送禁止を含む、おもしろエピソードをいくつかご紹介します。

 

「気違い真似して気が触れたの巻」220話

タイトルからして放送禁止です。内容は、タコラは気が狂ったフリをして住民たちから食料を強奪するも、ウソがバレて逆襲されてほんとに気が狂う、という身もふたもないお話。

 

「残酷スイカ割りの巻」224話

3怪獣のスイカ割に参加させろと騒ぎ、入れてもらったものの目隠しタコラが日本刀で相方チョンボの顔面を切りつけ大流血。

 

「死んでもらいますの巻」7話


ビラゴンの絵本が読みたいタコラは殴り掛かり強奪を試みるが3度も返り討ちに遭い、タコラがついに日本刀を持ち出し、決闘となる。なんとか死闘を制するタコラだが、手に入れた絵本は「酢だこの作り方」だった…。

 

「氷タコラはいかがの巻」230話


シロップに「はらくだし」を混ぜ、3怪獣からかき氷機を強奪するタコラとチョンボ。すぐにデブラに逮捕され「残酷氷の刑」>「ダイナマイトで爆破の刑」>「虫眼鏡焼きの刑」に・・・。

 

「タコラの植木屋の巻」212話

植木屋のハサミを強奪して森中のあらゆるものを切りまくるタコラとチョンボ。ついに来るものがなくなり、タコラは自らの腕を・・・。

 

「タコリアムテルの巻」245話

デブラのリンゴが欲しいタコラとチョンボ。チョンボの頭の上に置いたリンゴを射抜いたらあげる、という提案に弓を振り絞るタコラ。しかし矢はチョンボの心臓と脳天を貫通。さらにデブラはそのリンゴを餌にモンロを愛人にして去る。

 

「タコラの独裁者の巻」(114話)

タコラ、チョンボとともにクーデターを敢行、森を完全に制圧。独裁者に。市民に捧げものを強要し、貢物が少ないデブラを重労働の刑に。さらに「タコラの森で生きるより死ぬ自由を選びましょう」と自殺を図るデブラに死刑を宣告。

 


 

●キャラクターグッズ再販売

 

ここ数年の人気再燃に伴い、東宝のグッズ通販サイトでキャラグッズが続々と販売されています。

 

個人的には相方チョンボの見た目が好き過ぎます。

 

コメント

  1. くれくれ男 より:

    自分はクズ男です
    女性にいろいろと要求していましたところ、あんたに似たクズがいると、くれくれたこら、を教えてもらいました

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